闘病生活と住まい
 ある日突然、家内の母の具合が悪くなった。それまで、保険の外交員として何十年も働いていた彼女が、その日を境に、人前に出たがらなくなってしまった。いろんな病院で検査してもらっても、全く原因は分からない。

 何年かして、小脳の進行性難病と解った。進行性なので、治癒しなく、その進行を押さえるのが唯一の治療法でした。薬の他に、「これは良い」と聞く物は何でも試したようです。しかし、病は進むばかりです。小脳ですので、とりわけ言語と歩行に、多くの問題を抱えていました。

 
何年目かのある日、家族で実家に帰った所、家のあらゆる所に手すりが取り付けていました。大工さんに工事をしてもらい、自己歩行に支障の無いように付けてありましたが、私は・・これで良いのかな?と感じてしまいました。ただ、年に1、2回しか帰らない私の考えより、近所の大工さんの方が安心なのでしょう。それは当然の事です。

あえて考えを言えば、手すりを付けただけでなく、段差の解消も考えないといけないと思いました。
 
しかし、この手の病はリハビリをするのとしないのでは、全然違います。母はあまりやらなかったので、進行が早かったようです。今直面されている方も、リハビリそして自分で出来ることは、がんばってやって下さいね。そして、外へ出ましょう。車椅子だって手押し車だって、恥ずかしいことでは無いのですから・・・

 その母は、2年前に亡くなりました。葬儀が終わった後、今まで家に取り付けてあった手すりを、私が外すなんて、あの時・・・・・思いもしませんでした。そう思うと、もっと使いやすくしてあげたらな!と、今でも悔やんでいます。
(2000.11.1)
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