仁さんの独り事

思いつくままに

在宅介護・・・そして人生の学びを終えたオヤジ


平成22年9月4日・夏の終わりの暑い日、オヤジが人生の学びを終え天国へと旅立っていきました。

在宅介護を始めてから丁度6年が過ぎていました。本来ならもっと長生きが出来たと思うのですが、今年の3月に入浴後洗面所で転倒をしてしまい頭に大けが!救急車にて病院へ搬送。入院生活一ヵ月半でADLはガクッと落ち、要介護3から一気に要介護5に駆け上がりました。更に入院中に誤燕性肺炎も発症してしまいました。本当に高齢者のけがは怖いものです。

その時に入院していたのは川崎市にある横文字の大学病院なのですが、担当医から"胃ろう"を勧められました。なにやら聞きなれない単語でしたが、要は外部から胃に直接穴を開け、栄養を送る管をつける事でした。楽しみは口から、栄養は胃から・・・なんて真顔で言っていましたが、私はリスクを承知した上でNO!の答えを出しました。そのリスクとは、嚥下(飲み込み)の機能が低下すると、誤嚥性肺炎を再び引き起こしたり、窒息する可能性も出てきて、最悪死もありうるという事でした。

ですが、命を無理に縮めず無理に延ばさず、食べられなくなったら寿命と言うのが家族理念でしたので、その時出した答えは今でも正しかったと確信しています。

日本人は何故"死"に対して罪悪を感じるのでしょうか?
私の素朴な疑問です・・・

結果退院してマンパワーを追加した在宅介護から一ヶ月、そのリスクの通り再び肺炎になり入院。今度は吉祥寺にある井の頭通り沿いの病院でしたが、私たちは後悔しませんでした。この時からオヤジは再び家に戻る事無く、6月、お世話になっている主治医と相談の結果、在宅介護の限界となり、療養型病床棟のある病院へ転院する事が出来ました。

非常にありがたかったです。何故ならば、受け入れ先を探すという事がいかに大変な事か、身をもって体験したからです。これは体験した者にしか分からない事でしょう。特養や老健そして病院・・・今日本が抱えている問題は、計り知れないほど根が深いと思います。

話を戻して・・・

そこは環境もよく、皆さんも良い方ばかりでオヤジのADLも少しずつUPしました。食事も刻み食(トロミ付き)で食欲もUP!これのおかげですかね?車椅子を一人でこげるようにまでなりました。この時が残っている力のMAXだったと思います。

しかしこの夏は酷暑!あまり関係ないかも知れませんが、一気にADLが下がり終末期を迎えてしました。

そして平成22年9月4日(土)朝・・・私と姉に看取られながら、人生の学びを終えた次第です。私は良い顔をしているオヤジの姿を見て、不思議と泪が出ませんでした。悲しいと言うより、やり遂げた達成感の方が強く感じられ、俺たちがんばったよね・・・そしてオヤジも立派だったよ!よくがんばった!!こんな思いでした。

そう、その日見上げた空のように、家族みんなの心も快晴でした。

長々と内輪話を書きましたが、皆さんもこんな時にどう向き合うのか、是非考えて見て下さい。そして繰り返しますが、高齢者の転倒によるけがは命取りに繋がります。是非住宅改修に目を向けて頂きたいと思います。(合掌)
(2011.2.1)


バリアフリーとユニバーサルデザイン


皆さんもよく聞かれる言葉だと思うのですが、その意味をご存知でしょうか?
バリアフリーについて・・・
バリアフリーとは、高齢者や障害者などが社会生活に参加する上で、生活の支障となる物理的な障害や精神的な障壁を取り除く為の実践、もしくは具体的にそれらの障害を取り除いた状態を言います。またバリア(障壁)のある環境を何とか使えるようにする為に、高齢者や障害者といった特定の利用者を念頭において環境整備を行うところが特徴と言えます。

ユニバーサルデザインについて・・・
ユニバーサルデザインとは、製品・建物・環境を、年齢や性別、身体状況、国籍などにかかわらず、あらゆる人が利用出来るようにあらかじめ考えデザインする事を言います。
バリアフリーと違い、特定の人のニーズを解決する事に主眼をおかず、誰もが特別扱いなく、分かりやすく、安全・快適に使える方向で、新たなデザインをすると言うところが特徴と言えます。簡単に言えば、バリア(障壁)がある事を前提と考えるのではなく、初めからバリア(障壁)が生じないようにすると言う事ですね。
どちらも似ているように思えがちですが、特徴からして考え方は違うようですね。

さて私の"高齢者にやさしい住まいづくり"に対するテーマは、
(1)介護(介助)生活における心身負担の軽減、
(2)事故の未然防止
にあります。

これをバリアフリーとユニバーサルデザインの考え方に置き換えてみると、
(1)がバリアフリーで、
(2)がユニバーサルデザイン
と言えるでしょうか。どちらも大切な事だと思うのですが、住宅改修・自立支援を考える時、どちらを優先すべきかが"カギ"となると思います。

じっくりと考え、時に専門家の意見を大いに取り入れてください。
転ばぬ先の杖・・・きっと良い結果になると思います。
(2011.3.1)


最期を選ぶ


読売新聞に「最期を選ぶ」と言う連載記事が載っていました。題目を仕分けしてみると、

(1) 終末期医療を事前提示
(2) 救急搬送先でも意向尊重
(3) 治療断念 夫婦で決める
(4) 地域で「看取り」を考える

となり毎回の事例は変わるのですが、主題は「事前指示書」の必要性について説いてありました。私はこれを読んだ時、ふとオヤジの事が頭を過ぎりました。これは"仁さんの独り言"のコラムでも書いてありますが、我家で話し合ったオヤジの終末期医療は、無理に縮めず、無理に延ばさず、食べられなくなったら寿命・・・これを事前に書面にしておくのが「事前指示書」と言うそうです。皆さんはどのように考えますか?一歩間違えれば家族不和を真似かねない物になりそうですが、私個人としてはとても大切な物だと思います。
ですので、オヤジの一周忌を迎えた際に、オフクロには以前より会話で済ませていた物を、正式に文章として作成する事を話してみようと思っています。

○ 事前指示書 「私のお願い」
 人生の最期を迎えた時、私のお願いを以下と通りに事前に指示します。

(1)私が判断力を失った時は、□□□□を代理人とし、
   一切を一任します。尚、代理人に何か合った場合は□□□□に
   一切を一任します。
(2)急な容体変化で救急搬送した場合、□□□□病院を
   第一に希望します。無理な場合はその他の医療機関でかまいません。
(3)無理に縮めず、無理に延ばさず、無駄な延命治療は一切望みません。
(4)苦痛の緩和は最大限やって欲しいです。
(5)植物状態になったら一切の生命維持装置を外し、「胃ろう」は拒否します。
(以下省略)

内容はこのような感じで・・・一度皆さんも話し合われては如何でしょうか?
(2011.5.1)


車椅子の使い心地


移動だけではなく、いすとして長時間使う事もある車椅子。介護保険を利用すれば1割負担で借りられますが、身体に合っていないと無理な姿勢を強いられてしまい、床ずれになる事もあります。慎重に選び、快適に過ごしたいですね。さて一言で車椅子と言っても、自分で動かす自走用、介助者が操作する介助用、それと電動用に大きく分かれます。また最近では、10kg以下の超軽量タイプや、認知症の人ら向けに立ち上がると自動的にブレーキがかかるもの、小回りが聞く6輪タイプなども登場しているそうですので、ケアマネージャーや理学療法士、あるいは福祉用具専門相談員と一緒に選ぶ事をお薦めします。

そしてそのポイントは、
(1) 利用者と家族、室内移動、外出、通院など、使う目的や場所を明確にしてから種類を決める。
(2) 座面の幅は、腰の幅より片側1,5cm程度広ければよい。左右のひじ掛けと体との間に余裕がありすぎると姿勢が崩れる。座面の奥行きは、ひざの裏と座面の先端に指2本分の隙間がある程度にする。
(3) 長時間座る場合は、介護保険で借りられる専用のクッションなどを利用する。
(4) 販売価格やレンタル料、メンテナンスなどのサービス内容を複数業者で確かめる。
一番良いのは洋服の試着と同じで、実際に試乗して座り心地を確かめるのがベストでしょう。参考にして下さい。
(2011.6.1)


夜間頻尿


私の母もそうなのですが、就寝中に尿意をもよおし、何度もトイレに行く「夜間頻尿」に悩む高齢者は多いですね。睡眠不足になるだけではなく、暗い室内で転倒し、けがをする危険性もありますので、十分注意する必要があります。ただ母の場合は尿の出が悪いので、夜も利尿剤を服用している為だと原因が分かっているので、その点は心配ないのですが、転倒には十分注意する必要があります。先日「夜トイレが寒いので行くのが辛い・・・」と言うので、私は「オヤジが使っていたポータブルトイレをベットサイドに置いて、夜だけでも使ったら?」と話したところ、早速実践しているようです。これで夜間の転倒の心配が解消されました。

一般的に排尿回数を減らすには、
(1) 寝る前に水分を取りすぎない
(2) 利尿作用があるカフェインを含むコーヒーなどは、夕食後控える
(3) 夕方に軽い運動や散歩をし、体内の余分な水分を汗などとして排出する
(4) 起床時に日光を浴びたり、就寝時刻が近づいたら証明を落としたりして、しっかりとした睡眠がとれるように心がける
(5) 持病がある場合、服用している薬の影響で排尿回数が増えることもあるので、主治医に確認をし、処方について相談をする
等々があげられます。

また転倒で考えられるのは骨折です。特に足の場合は即寝たきりに繋がり、ADLもガクッと落ちてしまいます。結果家族介護の負担も多大なものになりますので、必要に応じて主治医など専門家に相談する事をお勧めします。

(2012.2.1)


食べこぼしをへらすには


高齢になると口や手の機能が衰えて、食事の際食べこぼしが増えがちです。ましてや障害で利き手が使えなく、逆の手で食事をされる方は尚更ですね。私のオヤジも利き手の右が使えなく、逆手の左を使って食事を摂っていました。そうなるとどうなるか・・・食べこぼしても良いように"エプロン"を着用する訳です。

でも尊厳は傷つけていないか?

一人一人ケースが違うと思うのですが、やはり"エプロン"は着けない事に越した事はありません。最終的には専門家の意見が必要ですが、改善点とすれば
(1)椅子に座った場合でも車椅子に座ったままの場合でも同じですが、まず姿勢を安定させる事。
例えば座った時に、足裏がかかとまでしっかりと床に着くようにする事や、足が浮いてしまう場合は、足元に踏み台を置いてかかとを着ける。また傾きや円背の場合は、上手くクッションを使うなどして体制を安定させる等が大切です。正しい姿勢維持は、誤嚥のリスクも減らす事に繋がります。
(2)皿と口の距離を考える。
もし皿を持ち上げられない場合は、皿を置く位置を少し高くすると食べやすく安定します。古雑誌やお菓子の空き缶等を上手く利用すると良いでしょう。
(3)介護補助器具を使用する。
食べこぼしのケースは、皿から口に運ぶ際に落としてしまうケースと、口に入れてから落とすケースに大きく分かれます。前者は、マヒや逆手でも持ちやすいスプーンや箸、そして器を使用する。後者は、食介などで舌の奥へ食べ物を送り込む工夫を教えてあげる。

認知症の場合には、声掛けを繰り返す事等が大切だと思います。全ての人間がそうですが、やはり食べなければ必要な栄養が摂れず、全身の機能が低下します。ましてや高齢者や障害者の方が食べこぼしを繰り返してしまうと、おのずと食べるのをあきらめてしまい、状況はもっと悪い方向へ進んでしまいます。そうならないように家族や周りの方々で支えてあげ、食事を一緒に楽しむようにしましょう。

PS、私はオヤジのエプロンを外してあげる事はできませんでした・・残念・・

(2012.3.1)




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